FRIEDRICH-EBERT-STIFTUNG – SHAPING INDUSTRY 4.0 ON WORKERS’ TERMS 2 「ワーク+イノベーション」(W+I) 2 プロジェクトの構造とアプローチ 事業所の利益代表者 3 がデジタル・トランスフォー メーションとの関連で将来直面する現実や課題は、 非常に多様なものになるだろう。この仮定が、「ワー ク+イノベーション」プロジェクト開発の一番初め の構想の基礎となった。ある事業所では製造や製品 そのもののタイプが変化し、別の事業所では新しい 設備の導入に伴ってシフト計画に関する問題が生じ るかもしれない。他のケースでは、ビジネスモデル自 体やバリューチェーンにおける当該事業所の立場が 変化するかもしれない。ドイツの事業所や企業のデ ジタル成熟度は、これまでも今も決して均一ではな い。すでに「スマート・ファクトリー」の見本になっ ている生産現場があったり、担当の従業員代表が複 雑な製造実行システム(Manufacturing Execution Systems)の導入に関する協定を結んでいたりする一 方で、隣の企業は工場のさまざまな部門で既存の4.0 テ ク ノ ロ ジ ー を 評 価 し 始 め た ば か り で あ る ( cf. Schroth/ Reuter/Schafers 2019)。 同時に、最初の仮定によれば、企業側が転換に対処 するための明確な戦略をまだ立てていないことが多い。 しかし、各事業所には1つの共通点がある――特に転 換期において、労働組合の能力を利用・拡大するよう求 めていることである。この方法によってのみ、デジタル ワークを働く人のことを考えたものにすることができ る。ここが「ワーク+イノベーション」の出番である。 2 「ワーク+イノベーション」は、連邦労働社会省と欧州社会基金(ESF) によって資金を供給された。プロジェクト期間は3年半である。公的 資金からの供給額は約500万ユーロに達した。原則として、ソーシャ ル・パートナー、私法・公法に基づく法人、ドイツに事業所拠点を有 する企業が、プロジェクト構想を提示してこれらの公的資金を申請で きる。W+Iプロジェクトの総額は約1000万ユーロであった。ドイツ全国 から100を超える事業所・企業が参加した。このプロジェクトは、IGメ タル内では執行部の決議によって開始され、執行委員会と諮問委員会 を設置、さらに執行部のさまざまな部門と各地域執行部メンバーが内 容面で継続的にサポートした。IGメタル執行部が雇用する社会科学、 法律および企業経営分野の専門家に加えて、IGメタル教育センターの 経験豊かな職業教育教員や労働分野のコンサルティング会社・学術機 関のネットワークも、このプロジェクトを支援した。 3 事業所の利益代表者は、従業員代表委員会、職場委員またはその両方で ある。従業員代表委員会の権利は事業所組織法に定められている。従業 員代表委員会は会社の全従業員を代表し、使用者と、例えば事業所合意 を交渉する(本稿5ページも参照)。他方、職場委員は当該事業所でIGメ タル組合員の従業員を代表する。職場委員は、各分野における組合員と その関心事を把握しており、従業員代表委員会を支援することができ る。したがって従業員代表委員会と従業員との仲介役である。 IGメタルのアプローチー確実かつ公正 で、自ら決定する方法でデジタルな労働の 世界を形成 ドイツでは事業所組織法(Betriebsverfassungsge setz―― 以 下 、 こ の 法 律 を 表 す ド イ ツ 語 の 頭 字 語 「BetrVG」という)に共同決定の機会が定められてお り、従業員代表委員会 4 が、広範囲にわたる分野で労 働の世界の形成に積極的な役割を果たせるようにし ている。したがって使用者は、代表の参加なくして (ほんの少し例を挙げれば)労働時間の配分(§87 BetrVG)や労働安全衛生(§87 BetrVG)、従業員の技 能取得(§§96-98 BetrVG)、職場の設計(§90 BetrVG) といったテーマに取り組むことができない。従業員 代表委員会を、新しいテクノロジーの導入(§90 BetrVG)にも関与させなければならず、それによって 特にデジタル・トランスフォーメーション時代に重 要な役割を与えられている(cf. IG Metall, n.d.)。 しかし、この事実上の制度上の権限(事業所組織法に 規定)があることだけで事業所レベルで従業員のた めの労働の世界を実際に形作ることはできない。そ れより、利益代表者側の政治的行動能力も必要であ る。 図1は、従業員代表委員会の各活動分野を形成で きる、あるいは形成できない一連の選択肢を示して いる。生産へのデジタル・アシスト・システム(例え ばタブレットの利用)の導入は、この好例である。否 定的なシナリオでは、高い標準化と厳格なワークフ ロー・プロセスによって、作業がますます単調かつ片 寄ったものになる。その結果、従業員の技能が不要と なる。加えて、従業員に関するデータ、例えば従業員 の行動や過失などに関するデータがリアルタイムで 記録されるようになる。オートメーションの拡大に 伴い、システムが従業員の作業を引き継ぎ、従業員が ますます余るようになる。 4 事業所組織法(BetrVG)§1によれば、従業員代表委員会は、少な くとも5人の従業員のいる事業所で選出することができる。ドイツ 事業所組織法(BetrVG)は、使用者と従業員代表委員会との協力の ルールを定めている。その結果、従業員代表委員会には拘束力のあ る情報・共同決定権がある。 4
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[Shaping industry 4.0 on workers' terms] : IG Metall's "Work+Innovation" Project
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